介護が必要な方や長期間ベッドに横たわる必要がある方にとって、褥瘡の予防は非常に重要です。褥瘡になりやすい危険部位について知識をつけておくことも、褥瘡を予防するうえで役に立ちます。まず、背中の下部、特に尾骨の周辺は、座ったり横になっている時に圧力が集中しやすく、褥瘡ができやすい部位です。また、背中に長時間もたれかかっていると、肩甲骨のあたりも圧力によって褥瘡が生じることがあります。
次に、お尻、特に坐骨の下の部分も要注意です。長時間座っているとこの部分に体重がかかり、褥瘡のリスクが高まります。足の方では、かかとは非常に褥瘡ができやすい部位で、ベッドに横たわっているときにかかとがマットレスに常に圧迫されることが原因です。また、肘や膝の内側など、骨が皮膚に近い部分も、圧力によって褥瘡が生じやすいです。これらの部位は、体を支えたり、体を動かしたりする際に、特に圧力がかかりやすくなります。
褥瘡を予防するためにはこれらの危険部位に注意し、定期的に体位を変えることが重要です。体位変換によって同じ部位に継続的に圧力がかかることを避け、血流を促進させることができます。この他に、適切なサポート用具を使用するのも効果的です。特殊なクッションやマットレスを使うことで、体重を均等に分散させ、圧力点を減らせます。
褥瘡は一度できると治りにくく、深刻な健康上の問題につながることもあります。だからこそ、予防がとても大切です。介護を行ううえでは、日々のケアにおいてこれらの危険部位に特に注意を払い、褥瘡のリスクを減らしましょう。